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- ロングアイランドアイスティーって、名前は爽やかそうなのに、なんだか"やばい"って噂を聞くけど、一体どうして?
- 見た目は普通の紅茶みたいなのに、飲んだら予想外にガツンときてビックリした!
- バーで勧められたけど、なんか裏があるの…?
そんな風に思ったことはありませんか? カフェやバーのメニューで見かけることもある、おしゃれな名前のこのカクテル。でもその裏には驚くべき秘密と、時には注意すべき危険な側面も隠されています。

驚異的な度数、意外なレシピ、独特の味、そして意味深なカクテル言葉、さらには「お持ち帰り」目的で悪用されかねない「やばい」側面に至るまで、あらゆる角度から解き明かしていきます。
自宅での作り方や市販の情報も網羅しているので、この記事を読めばロングアイランドアイスティーの全てがわかります!
- ロングアイランドアイスティーが「やばい」と言われる本当の理由
- 驚くほど高いアルコール度数とレシピ
- 紅茶じゃないのに紅茶色?意外な味と名前の由来
- 「レディキラー」と呼ばれる危険な側面と対処法
- 自宅での作り方、アレンジ、市販品の情報
- 意味深なカクテル言葉の真相
ロングアイランドアイスティーが「やばい」と言われる本当の理由!お持ち帰りの危険な側面と度数、作り方、味まで徹底解剖!
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ロングアイランドアイスティーが「やばい」最大の理由
ロングアイランドアイスティーが「やばい」と言われる最大の理由は、その見た目からは想像もつかないほどアルコール度数が高い点。
爽やかなアイスティーのような外見に反して、実は紅茶を一切使用せず、ウォッカ、ジン、テキーラ、ラムといった度数の高いスピリッツ(蒸留酒)を複数種類混ぜ合わせて作られています。
レモンジュースやコーラで割るため口当たりは良いものの、知らず知らずのうちに大量のアルコールを摂取してしまい、非常に酔いやすい。
これが、まさに「やばい」カクテルなのです。そして、この特徴が悪用されるケースもあるため、注意が必要です。
【理由1】衝撃の事実!ロングアイランドアイスティーの度数
一般的なカクテルとの比較:度数の高さに驚愕!
ロングアイランドアイスティーのアルコール度数は、一般的に25度から30度、レシピによってはそれ以上</span>になることも珍しくありません。
これがどれくらい高いかというと、他の一般的なカクテルと比べてみましょう。グラスの大きさも相まって、一杯に含まれる純アルコール量はかなりのものになります。
- ビール(中ジョッキ):約5度
- チューハイ(缶):約3度~9度
- カシスオレンジ:約4度~6度
- ジントニック:約5度~10度
- ハイボール:約7度~9度
- ワイン:約12~15度
- 日本酒:約15度

ビールやハイボールの3倍から5倍以上、ワインや日本酒と比べても2倍近くかそれ以上のアルコールが含まれている計算になります。「ごくごく」飲める見た目なのに、中身は別物、というわけです。
【独自データ】主要カクテルとのアルコール度数比較表
カクテル名 | 一般的なアルコール度数(推定) | 備考 |
ロングアイランドアイスティー | 25~30度+ | レシピにより変動大、非常に高い |
マティーニ | 30度前後 | ジン+ドライベルモット |
ギムレット | 25度前後 | ジン+ライムジュース |
マルガリータ | 20~25度 | テキーラ+ホワイトキュラソー+ライム |
スクリュードライバー | 12~15度 | ウォッカ+オレンジジュース |
モスコミュール | 10~13度 | ウォッカ+ジンジャーエール+ライム |
ハイボール | 7~9度 | ウイスキー+ソーダ |
ジントニック | 5~10度 | ジン+トニックウォーター |
カシスオレンジ | 4~6度 | カシスリキュール+オレンジジュース |
ビール | 5度前後 | 種類による |
チューハイ(缶) | 3~9度 | 商品による |
(注)上記度数は一般的なレシピに基づく推定値であり、お店や作り手によって変動します。あくまで目安としてご覧ください。
この表を見ると、強いカクテルの代表格であるマティーニやギムレットと同等か、レシピによってはそれ以上の度数になる可能性があることが一目瞭然です。
見た目の爽やかさから「ジュースみたい!」と思ってゴクゴク飲んでしまうと、あっという間に酔いが回ってしまう、まさに「見かけ倒し」の危険性をはらんでいるのです。
度数が高くなる理由は、その独特なレシピ、つまり使用されるお酒の種類と量にあります。
ロングアイランドアイスティーは、主に以下の4種類の「ベーススピリッツ」と呼ばれる度数の高いお酒(各々約40度)を同量ずつ使用します。まるで、お酒界のオールスターチーム!
- ウォッカ
穀物やジャガイモなどを原料とする蒸留酒。クセがなくクリアな味わい。ピュアなアルコール感をプラス。
解説:蒸留酒とは、醸造酒(ビールやワインなど)をさらに蒸留してアルコール度数を高めたお酒のこと。アルコール度数をギュッと濃縮した感じ。 - ジン
大麦やライ麦などを原料とし、ジュニパーベリー(ネズの実)などで香り付けした蒸留酒。爽やかなボタニカル(植物由来)の香りが特徴。 - テキーラ
メキシコ原産の竜舌蘭(リュウゼツラン)という植物を原料とする蒸留酒。独特の甘い香りや風味がアクセントに。 - ホワイトラム
サトウキビを原料とする蒸留酒。甘い香りが特徴で、カクテルに深みとまろやかさを与える。
これら4種類のスピリッツだけでも相当なアルコール量ですが、さらにホワイトキュラソー(オレンジの皮で作るリキュール、約20~40度)も加わります。
リキュールとは、スピリッツに果実やハーブなどの香味成分と糖分を加えたお酒のことです。ホワイトキュラソーは柑橘系の爽やかな香りと甘さを加えます。
これらの合計5種類ものお酒に、レモンジュース(またはライムジュースやサワーミックス)の酸味と、少量のコーラの甘さと炭酸感を加えて作られます。
【計算例】ロングアイランドアイスティーの度数(再掲・補足)
先ほどの計算例を振り返ってみましょう。
各スピリッツ15ml、ホワイトキュラソー15ml、レモンジュース30ml、コーラをFull up(仮に30ml)で作った場合(合計150ml)。
スピリッツのアルコール量:(15ml × 4種) × 40% = 24ml
キュラソーのアルコール量:15ml × 25% = 3.75ml (※度数25%と仮定)
合計純アルコール量:27.75ml
カクテル全体の度数:(27.75ml / 150ml) × 100 ≒ 18.5度
これは比較的コーラが多めの場合です。バーによっては、スピリッツの量を増やしたり(例えば各20ml)、コーラの量を極限まで減らしたり、度数の高いキュラソー(例:コアントロー 40度)を使ったりします。
そうなると、度数はあっという間に25度、30度を超えていくわけです。

作る方も、ボトルを何本も持ち替えて大変そう…(笑) でも、だからこそ生まれる複雑な味があるのかな? それにしても、このレシピ考えた人、すごいのか、ただの飲兵衛なのか…(笑)
【理由2】見た目は紅茶、中身は紅茶不使用!「やばい」と言われる悪名の危険な側面と名前の由来
ロングアイランドアイスティーという名前なのに、レシピに紅茶は一滴も含まれていません。これは紛れもない事実。
ではなぜこんな名前なのでしょうか?
最も有力な説は、完成したカクテルの色がアイスティー(特にレモンティー)にそっくりだから。コーラを少量加えることで、絶妙な紅茶色になるのです。

初めて見た人は絶対紅茶だと思うよね。ネーミングセンス、抜群すぎません? まさに『羊の皮を被った狼』的な?
もう一つの説として、禁酒法時代のアメリカ(1920年~1933年)に由来するという話があります。
禁酒法とは、アメリカ合衆国で憲法が修正され、アルコール飲料の製造、販売、輸送が全面的に禁止された時代のことを指します。
もちろん、人々がお酒を完全にやめたわけではなく、非合法な形で製造・密売されたり、「スピークイージー」と呼ばれる隠れ酒場でこっそり飲まれたりしていました。
そんな時代に、ニューヨーク州ロングアイランド地区で、取り締まりの目を逃れるために、紅茶を装って飲まれていたのがこのカクテルだった、というのです。
見た目が紅茶そっくりなので、役人にもバレにくかったというわけですね。「これはお茶ですよ?」なんて言いながら、実は強いお酒を飲んでいた…想像すると面白いですね。

歴史の裏側を知ると、カクテル一杯の味わいも深まる気がするね。当時の人々の『どうにかしてお酒を楽しみたい!』っていう執念みたいなものが感じられる…!
ただし、この禁酒法時代説には確たる証拠はなく、1970年代にロングアイランドのバーで、あるバーテンダーがコンテストのために考案したという説も有力です。(諸説ありますが、発祥については不明な点が多いのが現状です。)
飲みやすさが仇?気づかぬうちに泥酔する罠
ロングアイランドアイスティーの「やばさ」は、度数の高さだけでなく、その危険なほどの飲みやすさにもあります。
複数の強いスピリッツを使っているにも関わらず、レモンジュースの酸味とコーラの甘さ、そして柑橘系のリキュール(ホワイトキュラソー)が絶妙に調和し、アルコールの刺激的な風味、ツンとくる感じをうまくマスキング(覆い隠)しています。まるで魔法のよう!
そのため、「あれ?意外とアルコール感じないな」「ジュースみたいで美味しい!」と感じてしまい、普段お酒を飲み慣れていない人でも、ついペースが速くなりがちです。「ぐびぐび」いけてしまうのです。
でも、体内には確実に大量のアルコールが摂取されています。飲みやすいからと油断して、まるでソフトドリンクのように飲んでいると、後になって時間差で急激に酔いが回り、気づいた時には足元がおぼつかない、記憶が飛んでいる…なんていう泥酔状態になりかねません。
これが、ロングアイランドアイスティーが「やばい」「危険だ」と言われる大きな理由の一つです。

自分の限界を知らないうちに超えちゃう怖さがあるよね。飲むときは、意識してゆっくりペースを心がけなきゃ! チェイサーは必須!」
【要注意】ロングアイランドアイスティーはレディキラー?「お持ち帰り」目的で悪用される危険性も…
ロングアイランドアイスティーは、その飲みやすさと度数の高さから、「レディキラーカクテル」という非常に不名誉な異名を持つことでも知られています。
この特徴が悪用され、「お持ち帰り」を狙う口実に使われるケースがあることも、残念ながら指摘されています。
なぜ「お持ち帰り」と結びつけられるのか? 3つの警戒ポイント
「飲みやすいのに激強」という致命的なギャップ
これが悪用される最大のポイントです。相手のアルコール耐性を意に介さず、あるいは故意に酔わせようとする場合、これほど都合の良いカクテルは稀です。
「ジュースみたいだから大丈夫だよ」という言葉を鵜呑みにして飲んでしまうと、あっという間に酩酊状態に陥る危険があります。
「レディキラーカクテル」という異名の悪用
この異名を知っていて、「レディキラーって呼ばれてるんだよ、試してみない?」などと、面白半分、あるいは意図的に勧めてくる場合、その裏には不誠実な意図が隠れている可能性を疑うべきです。
これは明確な危険信号と捉えましょう。
意味深なカクテル言葉の利用
「このカクテルの言葉、『今夜は帰りたくない』なんだって…」などと囁きながら勧めてくる。これは、カクテル言葉を下心をごまかす口実や、相手を試す道具として使っている可能性があります。
ロマンチックどころか、警戒すべきサインです。

でも、知らないで危険な目に遭うより、知っておく方がずっといい! 特に飲み会の席とか、初対面の人にお酒を勧められる場面では、ちょっとだけアンテナ張っておくのは大事だと思うな。
こんな勧め方には要注意!
- 度数の高さを隠して「飲みやすい」とだけ強調する。
- 無理強いするような流れで出してくる。
- やたらとカクテル言葉(特に「今夜は帰りたくない」)を話題にする。
- あなたの普段の飲酒量や強さを知らないのに、いきなり勧めてくる。
- 自分だけチェイサーをしっかり飲んでいる。
- 自分の身を守るために:賢く対処する方法
もし、ロングアイランドアイスティーを勧められたり、自分で飲んだりする際には、以下の点を心に留めてください。
- 度数の高さを常に意識する
「これは強いお酒」と認識し、油断しない。 - 自分のペースを絶対に守る
ゆっくり味わい、チェイサー(水)を必ず頼む。 - 怪しいと感じたらきっぱり断る勇気を持つ
「苦手だから」「もう十分」など、理由は正直に。断ることは悪いことではありません。 - 信頼できる状況で試す
気心の知れた友人や、信頼できるお店で。
このカクテルが持つ「やばさ」の側面を理解し、賢く、そして安全にお酒の席を楽しむようにしましょう。
自宅でも作れる?ロングアイランドアイスティーの作り方
バーで飲むイメージが強いロングアイランドアイスティーですが、材料さえ揃えれば自宅でも作ることが可能です。チャレンジしてみますか?
基本のレシピと材料
自宅で本格的な味を再現するための、基本的なレシピを紹介します。バーテンダー気分でシェイク!
【材料】
- ウォッカ:15ml
- ジン:15ml
- テキーラ(ホワイト):15ml
- ホワイトラム:15ml
- ホワイトキュラソー(または トリプルセック):15ml
解説:トリプルセックもオレンジリキュールの一種で、ホワイトキュラソーの代用としてよく使われます。コアントローなどが有名。
- レモンジュース(生搾り推奨):30ml (ポッカレモンなどでも代用可)
- シュガーシロップ(ガムシロップ):1tsp(ティースプーン1杯、約5ml) ※甘さ控えめが好みなら省略可
- コーラ:適量(Full up / グラスを満たす程度、30ml~60mlくらいが目安)
- 氷:適量
- 飾り用:レモンスライス または カットレモン
【必要な道具】
- カクテルシェイカー(なければ大きめのタンブラーや蓋付きの瓶でも代用可)
- メジャーカップ(お酒の量を正確に測るため。15ml/30mlなどが測れると便利)
- バースプーン(なければマドラーや長いスプーン)
- コリンズグラス(細長いグラス、なければ普通のタンブラーでもOK)
【作り方の手順】
- シェイカーを準備
シェイカーに氷を7~8分目まで入れる。「キンキン」に冷やすイメージで。 - 材料を注ぐ
メジャーカップで正確に測りながら、コーラ以外の液体材料(ウォッカ、ジン、テキーラ、ラム、ホワイトキュラソー、レモンジュース、シロップ)をシェイカーに注ぎ入れる。順番は特に気にしなくてOK。 - シェイク!
シェイカーの蓋をしっかり閉め、手首のスナップを効かせて15秒ほど力強くシェイクする。シェイカーの表面が冷たくなり、うっすらと霜がつくくらいが目安。「シャカシャカ」と小気味よい音を立てて!
ポイント:
シェイクすることで材料がよく混ざり、キンキンに冷やされ、空気を含んで口当たりがまろやかになるよ。美味しいカクテルの秘訣! - グラスに注ぐ
氷を入れたコリンズグラスに、シェイカーのストレーナー(蓋についている濾し器)を押さえながら、中の液体だけを注ぎ入れる。
ポイント:シェイカーの氷は溶け始めているので、新しい氷を入れたグラスに注ぐのがベター。 - コーラで満たす
グラスの縁からゆっくりとコーラを注ぎ、グラスを満たす(Full up)。量は好みで調整。少なめだとアルコール感が強く、多めだと飲みやすくなる。 - 軽く混ぜる
バースプーンやマドラーをグラスの底までそっと差し込み、氷を持ち上げるように優しく1~2回混ぜる(ステア)。混ぜすぎるとコーラの炭酸が「シュワ~」っと抜けてしまうので注意! - 飾り付け:
レモンスライスやカットレモンをグラスの縁に飾ったり、グラスの中に「ポトン」と沈めたりして完成! 見た目も大事!

でも、シェイカー振ってカクテル作るのって、なんか憧れるよね! 家でこれがサッと作れたら、友達呼んだ時とかめっちゃカッコイイと思う! ドヤ顔しちゃうかも(笑)」
もっと美味しく!アレンジレシピの提案
基本のレシピをマスターしたら、自分好みにアレンジしてみるのも楽しみ方の一つです。可能性は無限大?!
甘さ控えめがお好みの方
- シュガーシロップを省略する。
- レモンジュースの量を少し増やして(例:40ml)、キリッとした酸味を強調する。
- 使うコーラをゼロカロリータイプにする。後味もスッキリ。
- フルーティーさをプラスしたい方
- クランベリージュースを少量(10ml程度)加えてみる。「ロングビーチアイスティー」という、赤みがかった綺麗なカクテルになる。これも美味しい!
- オレンジジュースを少量(10ml程度)加えて、柑橘感をアップさせる。より爽やかに。
- パイナップルジュースを少し垂らすと(5~10ml)、ほんのりトロピカルな風味に。
ちょっと変わり種?なアレンジ
- 紅茶のリキュール(アールグレイ風味など)を少量加えてみる
名前に反して紅茶が入っていないなら、逆に入れてみるのも面白いかも?(※これは完全に邪道かもしれませんが…!自己責任で!) - ジンジャーエールで割ってみる
コーラとは違った、ピリッとドライなスパイシーさが加わる。「トーキョーアイスティー」と呼ばれることもあるアレンジ。(緑色のメロンリキュールを使うのが本来のレシピだけど、コーラの代わりにジンジャーエールを使うだけでも雰囲気は変わる) - グレナデンシロップ(ザクロのシロップ)を数滴垂らして、色味と風味にアクセントを。
ノンアルコールで楽しみたい方
最近はノンアルコールのジン、ウォッカ、ラムなども登場しています。
それらと、ノンアルコールトリプルセック(オレンジシロップやオレンジジュース多めでも代用可)、レモンジュース、そして濃いめに淹れた無糖のアイスティー(ここで本物の紅茶登場!)とコーラを合わせれば、雰囲気は楽しめる「バージン・ロングアイランドアイスティー」が作れます!
これなら安心してゴクゴク飲めるね! パーティーにもおすすめ。
作る際の注意点:安全に楽しむために
自宅で作る際は、バーとは違う環境だからこその注意点があります。
- 材料の分量を守る
特にベースとなるスピリッツの量を自己流で増やすのは危険です。度数が跳ね上がり、気づかないうちに飲みすぎてしまうリスクが高まります。まずはレシピ通りに作ってみましょう。 - 混ぜすぎに注意
最後のコーラを加えた後は、炭酸が抜けないように優しくステアするのが美味しく作るコツ。「ふわっ」と混ぜるくらいでOK。 - 飲むペースを意識する
自宅だとついリラックスして飲みすぎてしまいがち。「これは強いお酒だ」という認識を忘れずに、ゆっくりと時間をかけて味わいましょう。チェイサー(水など)を用意するのを忘れずに。映画を見ながら…なんて時は特に注意! - 作り置きはしない
氷が溶け、炭酸も抜けて味が落ちるため、飲む直前に作るのが基本です。時間が経つと水っぽくなってしまいます。
気になる味は?本当に美味しいの?
「度数が高くて危険なのはわかったけど、実際のところ味はどうなの?美味しいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。味覚は人それぞれですが、一般的にどう表現されるか見てみましょう。
複雑だけどまとまりのある、クセになる味
ロングアイランドアイスティーの味は、一言で言うと「複雑なのに、なぜかまとまっている」不思議な味わいです。多くの素材が使われているのに、破綻していないのがすごいところ。
- 紅茶の味はしない
まず大前提として、名前に反して紅茶の風味は全くありません。紅茶の味を期待して飲むと、「えっ?」となること間違いなし。 - 柑橘系の爽やかさ
レモンジュース(またはライム)がしっかりと効いていて、口にした瞬間の第一印象は意外と爽やか。「キュッ」とした酸味が全体を引き締めています。 - コーラの甘さと刺激
コーラ由来の独特の甘みと、シュワッとした炭酸の刺激が感じられます。これが飲みやすさの大きな要因。 - 複数のスピリッツが生む奥行き
ウォッカのクリアさ、ジンのボタニカルな香り、テキーラの甘い風味、ラムのコク、そしてキュラソーのオレンジ香。これらの要素が単独で主張するのではなく、複雑に絡み合って味に奥行きと厚みを与えています。「ん?何の味だ?」と考えているうちに、次の一口を誘います。 - 後味のアルコール感
飲み込んだ後に、喉の奥や鼻に抜けるアルコール感はやはり強め。ここで「あ、やっぱりお酒なんだ」「結構強いかも」と実感します。
全体としては、甘酸っぱくて飲みやすいのですが、単純なジュースとは違う、アルコール由来のボディ感(厚み)と何層にも重なった複雑な風味がクセになる、という人も多いカクテルです。
「まずい」と感じる人は少ないかもしれませんが、「思ってたのと違う」「アルコールがキツい」と感じる可能性はあります。
こんな人におすすめ
- 色々なカクテルを試してみたい冒険心のあるカクテル愛好家の方
定番カクテルの一つであり、その独特な成り立ちやレシピを知る上でも一度は試す価値があります。話のタネにもなります。 - コーラベースの甘めのカクテルが好きな方
キューバリブレ(ラム+コーラ+ライム)などが好きなら、より複雑でパンチのあるこちらも楽しめる可能性が高いです。 - ある程度アルコールに耐性があり、度数が高いお酒にも挑戦してみたい方
ただし、くれぐれも油断は禁物! チェイサー片手に、ゆっくりペースで。自分の限界を探るような飲み方は絶対にダメ! - ちょっと変わった体験をしてみたい方
「紅茶じゃない紅茶」を飲むという、ちょっとしたサプライズ体験ができます。
逆にこんな人にはおすすめできないかも・・・
- アルコール度数が高いお酒が苦手な方、弱い方
言うまでもなく、避けるのが賢明です。無理して飲む必要は全くありません。他にも美味しいカクテルはたくさんあります! - 素材の味を楽しむシンプルなカクテルが好きな方
多くの材料が使われているため、味が複雑すぎると感じるかもしれません。ジンリッキーやウォッカトニックのようなシンプルな方が好みなら、合わない可能性が高いです。 - 紅茶の味を期待している方
繰り返しになりますが、紅茶は入っていません! 全くの別物です。「アイスティー」の名前に騙されないで! - スピリッツ(特にテキーラやジン)の独特な風味が苦手な方
それぞれの主張は強くないものの、ベースとなっているため、敏感な方はその風味を感じ取ってしまうかもしれません。
「今夜は帰りたくない」は本当?カクテル言葉とその背景
ロングアイランドアイスティーには、「今夜は帰りたくない」または「慰め」というカクテル言葉があるとされています。
なんとも意味深で、ちょっとドキッとするような響きですね。このカクテル言葉の由来についても、いくつかの説があります。
度数の高さと酔いやすさから?
アルコール度数が高く、気づかぬうちに酔いが回ることから、その場の雰囲気を盛り上げ、なかなか席を立ちがたい、帰りたくない気分にさせる…という解釈。
あるいは、酔わせて「お持ち帰り」…という、先ほど触れたレディキラーカクテルに通じる少々危険なニュアンスを含むとも言われます。
失恋した人を慰めるため?
禁酒法時代、あるいはその後の時代に、失恋して落ち込んでいる友人を慰めるために、「強いお酒で嫌なことを忘れさせてあげよう」とバーテンダーが考案した、という説。
この場合のカクテル言葉は「慰め」がしっくりきますね。強いけれど、どこか優しい一杯、といったイメージでしょうか。

でも、カクテル言葉を知ってて注文する人って、どういう意図なんだろうって勘ぐっちゃうかも(笑) 『慰め』っていうのも、なんか優しさを感じるけど、やっぱり度数の高さが根底にあるのかなぁ。言葉だけが一人歩きしてる感もあるよね。
ただし、カクテル言葉というものは、その多くが後付けされたイメージや俗説であり、日本独自のものも少なくありません。
誰かが公式に定めたものではなく、由来も不明確なものがほとんどです。ロングアイランドアイスティーに関しても、これらの説が真実であるという確証はありません。
話のネタとしては面白いですが、カクテル言葉の意味を過度に信じたり、気にしすぎたりする必要はないでしょう。
特に、前述のように下心を持ってこの言葉を利用する人もいるかもしれないので、鵜呑みにせず、あくまでそのカクテルが持つ雰囲気やイメージの一つとして捉えるのが良さそうです。
市販品やベースのお酒について
ロングアイランドアイスティーについて、もう少し周辺情報も掘り下げてみましょう。
市販品はある?どこで買える?
近年、RTD(Ready To Drink:蓋を開けてすぐ飲めるアルコール飲料)市場の拡大に伴い、ロングアイランドアイスティー風味の缶カクテルや瓶入りカクテルが販売されることがあります。
大手スーパーマーケットのお酒コーナー、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、酒類専門店、あるいはAmazonや楽天市場などのオンラインストアで見つけることができる可能性があります。「家で手軽に試してみたい」という方には便利ですね。
ただし、注意点もあります。
- 定番商品ではないことが多い
常に棚に並んでいるとは限らず、季節限定や期間限定商品として扱われることも多いです。見つけたらラッキーかも? - 取り扱い店舗が限られる
全てのお店で扱っているわけではありません。 - バーの味とは異なる可能性が高い
市販品は、より多くの人に飲みやすくするため、アルコール度数が低め(例:5%~9%程度)に調整されていたり、甘みが強めになっていたりするなど、レシピがアレンジされている場合がほとんどです。
本格的なバーの味を期待すると、少し物足りなく感じるかもしれません。複数のスピリッツを正確に再現するのはコスト的にも難しいのかもしれませんね。

キャンプとかに持っていくのも良さそう! でも、やっぱりバーでバーテンダーさんがシェイクして作ってくれる、あの本格的な一杯とは別物として楽しむのが良さそう!
もし市販品を探す場合は、「ロングアイランドアイスティー 缶」「カクテルパートナー ロングアイランドアイスティー」(過去にアサヒビールから販売されていたシリーズ名ですが、今もあるかは不明)。
「〇〇(メーカー名) ロングアイランドアイスティー」などのキーワードで検索してみるのも良いでしょう。
ベースとなるお酒(スピリッツ)についてもう少し詳しく
ロングアイランドアイスティーの複雑な味わいは、ベースとなる4つのスピリッツ(+リキュール)の個性が合わさることで生まれます。
それぞれの特徴と、代表的な銘柄(自宅で作る際の参考にも)を簡単にご紹介します。
ウォッカ (Vodka)
特徴: 無味無臭に近いクリアな味わい。カクテルのベースとして万能。
代表的な銘柄: スミノフ、アブソルート、スカイウォッカ、ウィルキンソン ウォッカなど。どれも比較的クセがなく使いやすい。
ジン (Gin)
特徴: ジュニパーベリーと様々なボタニカル由来の爽やかでドライな風味。銘柄による個性が豊か。
解説:ボタニカルには、コリアンダーシード、アンジェリカルート、レモンピールなどがよく使われるよ。最近は日本のクラフトジンも人気!
代表的な銘柄: ビーフィーター、タンカレー、ボンベイ・サファイア、ゴードンなど。ロンドンドライジンと呼ばれるタイプが一般的。
テキーラ (Tequila)
特徴: ブルーアガベ由来の独特の甘みと複雑な香り。
代表的な銘柄: サウザ(シルバー)、クエルボ(エスペシャル・シルバー)、オルメカ(ブランコ・クラシコ)など。ロングアイランドアイスティーには、熟成させていない「ブランコ」または「シルバー」タイプを選ぶのが一般的。
ラム (Rum)
特徴: サトウキビ由来の甘く芳醇な香り。
代表的な銘柄: バカルディ(スペリオール/ホワイト)、ハバナクラブ(3年)、ロンリコ(ホワイト)など。カクテルベースには、色の薄い「ホワイトラム」または「シルバーラム」がよく使われる。
ホワイトキュラソー / トリプルセック
特徴: オレンジの果皮を使ったリキュール。爽やかな柑橘系の香りと甘さをプラス。
代表的な銘柄: コアントロー(度数40%でやや高級)、ボルス トリプルセック、マリーブリザール トリプルセックなど。比較的安価なものも多い。
これらのスピリッツは、それぞれ単体でもカクテルの主役になれるものばかり。それらを贅沢に混ぜ合わせるのが、ロングアイランドアイスティーなのです。
【Q&A】ロングアイランドアイスティーに関する疑問
ここまで読んで、まだ疑問に思う点があるかもしれません。いくつかQ&A形式で解消しましょう。
酔いが急に回ることもあります。また、残念ながら悪用されるケースも報告されているため、その点でも注意が必要です。
「やばい」という言葉には、「度数が高くてすごい」「油断すると危険」「悪用される怖さもある」という複数の意味合いが含まれていると捉えるのが適切でしょう。
甘さの感じ方は人それぞれなので、バーで注文する際は「甘さ控えめに」とリクエストすることも可能ですし、自宅で作る際はシロップの量やコーラの種類で調整できます。
酒屋さんや大きめのスーパー、ネット通販などで探せます。少量ずつなら、気軽に挑戦しやすいはずです。また、全ての材料が揃わなくても、例えばウォッカ、ラム、レモンジュース、コーラだけでも「なんちゃってロングアイランド風」は作れます(味はかなり変わりますが、雰囲気は楽しめるかも?)。
まずはバーで本物の味を確かめてみて、本当に気に入ったら少しずつ材料を揃えて挑戦するのが良いかもしれません。
ただし、前述の通り、カクテル言葉は公式なものではなく、あくまで俗説や後付けのイメージです。特に「今夜は帰りたくない」は、下心を持って相手を誘う口実として使われる危険性も指摘されています。
言葉の意味に振り回されず、話のネタ程度に捉え、もし相手がこの言葉を強調してくるようなら、少し警戒心を持った方が良いかもしれません。
【まとめ】なぜ?ロングアイランドアイスティーのお持ち帰り&やばい
ロングアイランドアイスティーが「やばい」と言われる理由、その魅力と注意点について、詳しく見てきました。最後にポイントをまとめます。
「やばい」と言われる主な理由
- 名前に反して紅茶は一切不使用、見た目はアイスティーそっくり
- 見た目からは想像できない非常に高いアルコール度数(約25~30度+)
- ウォッカ、ジン、テキーラ、ラムなど複数の強いスピリッツを贅沢に使用する独特なレシピ
特に注意すべき「やばさ」(危険性)
- レモンジュースとコーラでアルコール感がマスキングされ、非常に飲みやすい
- そのため、気づかぬうちに飲みすぎてしまい、急激に酔いが回るリスクが高い
- 「レディキラーカクテル」の異名を持ち、「お持ち帰り」目的などで悪用されるケースも報告されているため、勧められた際には注意が必要
その他の情報
- カクテル言葉は「今夜は帰りたくない」「慰め」(俗説であり、悪用される可能性も)
- 自宅でも作れるが、材料が多く、度数管理(飲みすぎ)に十分注意が必要
- バーからのお持ち帰りは基本的に難しい
- 市販品(缶カクテルなど)もあるが、度数や味はバーのものと異なる場合が多い
- 味は甘酸っぱく複雑で奥行きがあり、クセになる人もいる一方、アルコールの強さを感じる
ロングアイランドアイスティーは、その成り立ちやレシピ、度数の高さから、確かに「やばい」一面を持つカクテルです。
飲みやすさの裏に潜むアルコールの強さ、そして時には不誠実な目的で利用されかねない危険性もはらんでいます。
でもその特徴をしっかりと理解し、自分のアルコール耐性を過信せず、ペースを守って、ゆっくりと味わうのであれば、決して怖いだけのお酒ではありません。チェイサーをしっかり用意し、一杯をじっくり楽しむ。それがこのカクテルと上手に付き合うコツです。
むしろ、多くのスピリッツが織りなす複雑なシンフォニーのような味わいは、他のカクテルにはない大きな魅力です。
バーで注文する際は、バーテンダーさんに度数について確認したり、「少し軽めに」と相談したりするのも良いでしょう。
見た目の爽やかさに油断せず、その「やばさ」の裏にあるストーリーや味わい深さを、ぜひ賢く、そして安全に楽しんでみてくださいね。
正しい知識が、あなたのお酒の時間をより豊かに、そして安全にしてくれるはずです。
- 名前に反して「紅茶」は一滴も入っていない
- アルコール度数は非常に高い(25~30度以上)
- ウォッカ、ジン、テキーラ、ラム等、強いお酒を複数使用
- 見た目や味は「飲みやすい」が、それが罠
- 気づかぬうちに大量のアルコールを摂取しやすい
- 酔いが時間差で急激に回ることがある
- 「レディキラーカクテル」の異名に注意
- 「お持ち帰り」目的で悪用される可能性も認識しておく
- カクテル言葉「今夜は帰りたくない」は俗説
- 飲む際はゆっくり、チェイサー(水)は必須
- 怪しいと感じたら、きっぱり断る勇気を持つ
- 市販品は度数が抑えられていることが多い